メンタルケアが重要な看護師の体調管理

医療や介護の業界ではメンタルヘルスに対する関心が高まってきた。
躁うつ病やアルツハイマー病などの中枢神経系の疾患領域だけでメンタルヘルスの重要性が説かれているわけではない。

がんのような慢性疾患で原因の特定が難しく、進行を遅らせるのが治療方針となってしまいやすい病気の治療でもメンタルヘルスの向上が改善につながるというデータが増えてきているのが現状だ。
介護現場ではQOLの向上という観点でメンタルケアを重視する現場が多くなり、患者や高齢者のメンタル面を意識した看護をすべきだという考え方は看護師の間にも浸透してきている。

しかし、看護師は患者や高齢者に対してメンタルヘルスの向上を推奨していても、自分に対して適用できていない場合が多いのが現状である。
看護師にとって体調管理が大きな課題としてよく挙げられていて、体力的にも精神的にもきついと感じられてきて離職してしまう人もいるのが実態だ。

体調はメンタル面に影響されることが多く、適切にケアを行っていないといつか限界を超えて疲労感に苛まれたり、様々な症状に悩まされたりしてしまいやすい。
看護師は患者や高齢者のメンタルケアは当然のことだが、それ以前に自己ケアを重視する必要がある。

きちんとした自己管理ができているかどうかによって、患者や高齢者にアドバイスをしたときに説得力があるかどうかも変わることになる。
体調管理ができていないのを察している患者もいることを念頭に置いて、セルフケアを重視して生活を組み立てていこう。